トランス脂肪酸、段階的に禁止へ
FDA(米食品医薬品局)が7日、食品に含まれるトランス脂肪酸を“安全な食品とは言えない”と暫定的な決定を下しました。
この決定が確定になれば、米国において、トランス脂肪酸を含む食品についてはFDAに市販前承認を取る義務が発生することになります。
米国では1999年にFDAにより、食品の商品ラベルへのトランス脂肪酸含有量表示について提言がなされ、2006年に表示を義務づける法律が制定されています。
トランス脂肪酸は血小板が動脈内に留まり心臓発作を起こす、冠状動脈性心臓病の原因となり、CDC(米国疾病予防管理センター)では食品へのトランス脂肪酸の使用を減らすことで、年間7000件の心臓病による死亡と20000件の心臓発作を減らすことができると試算しています。
(画像はFDAのホームページより)
消費者庁の判断は
日本では消費者庁が平成23年2月に、トランス脂肪酸に関して企業による自主的な情報開示の際の表示の指針を発表していますが、表示の義務化には至っておらず、現在検討中となっています。
WHO(世界保健機関)の勧告では1日あたりの平均摂取量を最大でも総エネルギー摂取量の1%未満にするのが望ましいとしていますが、日本人の平均摂取量は0.6%で、若年層や女性など一部の集団に1%を超えていることがあるということです。
現段階ではトランス脂肪酸に関する制限などのされていない日本においては、食品購入の際にはトランス脂肪酸だけではなく飽和脂肪酸、コレステロールの値も参考に、消費者自身が1日の総摂取量に気をつけることが推奨されます。

FDA:U S Food and Drug Administration(米食品医薬品局)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/消費者庁ホームページ
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin505.pdf