肥満にリスクあり
BMI値が30をこえた肥満の状態であっても、病気を発症しない「問題のない肥満」を、良性肥満という。高血圧や糖尿病になる肥満者が多い中、良性肥満は稀に存在するケースとして認識されてきた。
(画像はイメージです)
しかし、カナダのトロント大学およびマウントサイナイ病院の研究チームが、良性肥満を否定する研究結果を発表した。
研究チームは、
代謝的に健康といわれる状態の人でも、長期的にみると死亡率および心臓発作を起こすリスクが増加する。たとえば、通常の体重と人と比べると、肥満者の10年後の死亡率は24%高くなる(Le Nouvel Observateurより)
と、説明している。
良性肥満は伝説
研究チームは、1953年から現在までに発表された研究結果を分析し、「良性肥満」について調べた。BMI値が30をこえていても、肥満や高血圧などの問題を一切抱えていない人がいることは事実である。
しかし、こうした良性肥満の人も数年後に何らかの病気を発症するリスクが高いことがわかった。つまり、永遠に「良性」であり続ける肥満は存在しないのだ。
研究チームは、健康診断を受ける際にはBMI値などを常に測定し、肥満の早期発見につとめることが重要だと訴えている。そして、肥満と判断された際には、食生活の改善をはかり、運動を行うことが大切であると説明している。

トロント大学
http://www.utoronto.ca/マウントサイナイ病院
https://www.mountsinai.on.ca/健康的な肥満は存在しない
http://pourquoi-docteur.nouvelobs.com/L-obese