梯川のカドミウム汚染
1970年に、鉱山が原因となって、石川県梯川周域にカドミウム汚染が起こりました。カドミウムは、天然に存在する重金属ですが、体内に入ると腎臓にたまっていき、低濃度の摂取であっても、長期間に及ぶと腎臓に異常を起こす可能性があるといわれています。
(画像はイメージです)
1970年に検出されたカドミウムは日本人の主食である米の中からでした。
米のカドミウムと腎機能
そこで2014年に「Journal of Applied Toxicology」に発表された日本の研究では、こういった汚染地域の住民に対して健康調査を行ったそうです。
調査対象となったのは、50才以上の男性1120人、女性1274人、いずれも梯川周域に少なくとも30年以上住んでいた人達でした。
その結果、腎臓の機能障害を示す値や、体内のカドミウム量は、 コーデックス委員会で定めた最大量よりも低かったとのことです。
結論として
毒物の安全性の決め方は、基本的に動物実験で、毒性が見られなかった最大の値を、単純に100から1000で割って決めるもので、大きな委員会で定められたからといって、確実に安全と決まったわけではありません。
日本では古くより汚染米を問題がない米と混ぜて基準値をクリアする手法がなされているといわれていますので、今後とも毒物と健康の影響についての研究を進めていってもらいたいものですね。
編集部 C-NZ

Benchmark dose of cadmium concentration in rice for renal effects in a cadmium-polluted area in Japan
http://onlinelibrary.wiley.com/