グルコースとグルタミン
グルコース(ブドウ糖)とグルタミン(アミノ酸の一種)は、人間にとって必要な栄養素です。グルコースとグルタミンは、癌細胞が増殖するための栄養分として大量に使われるといわれており、グルコースとグルタミンを完全に除去する研究は以前から行われていました。
(画像はイメージです)
完全に除去した研究では、癌細胞を減らすことに効果があるということが動物実験などからもわかっていましたが、完全に除去する、ということを実際に人間に適用するのは難しいため、部分的に除去するという方法に注目が集まっています。
グルコースの濃度と癌細胞
そこで2014年に「Nutrition」に発表された南アフリカの研究では、癌細胞を使って、培地からグルタミンとグルコースの濃度を減らし、その効果を調べたそうです。
その結果、グルコースとグルタミンを通常の半分に減らした場合、2時間の培養で癌細胞の生存は73%に減り、4時間の培養で63%に減ったとのことです。また、完全に除去した場合には4時間の培養で53%に減りました。
結論として
これらの結果から、筆者らは、グルコースとグルタミンの部分除去は、たった2時間で明らかに癌細胞を殺すことができた、と結論付けています。そして、炭水化物を制限した食事と抗がん剤などの治療のコンビネーションは、癌細胞を殺すのに有効なのではないか、と提案しています。
編集部 C-NZ

Tumor cell culture survival following glucose and glutamine deprivation at typical physiological concentrations
http://www.sciencedirect.com/