糖質制限ブームに「待った」
大塚製薬株式会社が販売している機能性表示食品「大麦生活」シリーズが、ダイエッターや健康を気にする人たちの間でじわじわと人気になってきている。その理由は同商品に使われている「もち麦」にある。しかしもち麦は糖質制限ダイエットの大敵である炭水化物。本当に食べても太らないのだろうか?
実はもち麦に含まれている「大麦β-グルカン」という食物繊維が、糖質の吸収を抑える働きをすると報告されているからだ。炭水化物なのに糖質の吸収を抑えるというもち麦。糖質制限でごはんが食べられない、と辛い思いをしている人には朗報とも言えるだろう。
糖質制限のデメリット
糖質制限とは、米や麺、甘いもの等糖質の多く入った食品を避けた食生活をすることで、血糖値の上昇を緩やかにし、血糖値を調整するインスリンというホルモンが過剰生成されることを防ぐことで、脂肪の増加を防ぐというダイエット法である。このインスリンが余分に生成されると、血中の糖質と結びついて脂肪になってしまうわけだ。
事実、すでに一般常識として「糖質は体によくない、摂るべきではない」との認識が根強く、糖質制限ダイエットはその効果が高いことでも知られ、実際にコレステロール値や血糖値、肝臓値、高血圧が下がるなどでダイエットに成功している例も多くあるが、日本糖尿学会は糖質制限をあまり積極的に勧めていない。
自己流で糖質を制限しすぎ、エネルギー不足になってしまったり、血糖値の低下を防ぐために副腎から分泌されるホルモンの不調和で副腎自体の疲れを招き、不眠や無気力状態などの抑鬱症状を誘発したり、さらには胃酸の分泌が抑制されて消化不良を起こし、腸内細菌を乱し、便秘や栄養吸収の阻害などの問題が引き起こされる可能性があるのだ。
「糖質制限」に代わる「糖質コントロール」
自己流の糖質制限ダイエットには上述のように危険が潜んでおり、それを指摘する専門家もいるが、糖質制限ダイエットはその効果の高さゆえか、デメリットは浸透しづらいのが現実だ。そこで東京慈恵医科大学付属病院 栄養部課長の浜 裕宣氏と解毒女子の会を主催する医療コミュニケーション研修講師の伊澤 花文氏は、糖質制限ではなく「糖質の吸収を抑える効果のある炭水化物」を摂取する「糖質コントロール」という方法を勧めている。
「糖質コントロール」は自己流の過剰な糖質制限による逆効果を防ぎ、かつ、肥満や生活習慣病のリスクを低減できる。そこで注目されているのが「もち麦」を使った食事療法なのだ。もち麦に含まれている大麦β-グルカンは水溶性食物繊維が豊富に含まれており、糖質の吸収抑制はもちろん、血中コレステロールの正常化、満腹感の持続作用 、腸内の善玉菌のエサになるなど、体によい効果がある。
かしこい「大麦」の摂り方
かつて大麦は古くから日本の食卓にあった。医療関係者は「最も理想的な主食はもち性の大麦である」と言い、入院患者向けの院内食にも大麦が使われている病院があるほど。そんな大麦を「糖質コントロール」に取り入れるなら、主食を置き換えるのがお勧めだと言う。
「もち麦」に含まれる大麦β-グルカンの摂取で糖質を53%抑えることができると、近年の研究結果が報告されている。また、最初に食べたものが次の食事の血糖値に影響を及ぼす持続作用「セカンドミール効果」もあることが判ってきた。そこでお勧めなのは、朝食の炭水化物を「もち麦」に置き換える方法。
朝「もち麦」をごはんとして食すことで、昼食と夕食の糖質吸収量をぐっと抑えることができるのだ。これは実験で実証済みであり、何もしない状態より糖質の吸収量が44%抑制されていたという。
現代は精白加工技術の進化により「もち麦」は実にさまざまな形態に加工・商品開発され、日々の食事に手軽に取り入れられるようになっている。手軽に「もち麦」で「糖質コントロール」を試みてみるのも良いだろう。
(画像はプレスリリースより)

極端な糖質制限は危険!?医療関係者も薦める「朝食に”もち麦”」(@Press)
https://www.atpress.ne.jp/news/99710