体に安全な糖質を目指して
健康ブーム全盛の昨今、糖質の高い食品・食材がどんどん市場から淘汰されていっている中、「スプーン印」でお馴染みの製糖最大手三井製糖は、“ゆっくり消化”することで糖質の体への悪影響を抑える「スローカロリー」の考え方を活かした天然糖質「パラチノース」の研究・開発を続けている。
パラチノースの開発には糖質ゼロをひたすら目指すのではなく、脂肪を蓄積しにくくすることで健康体を維持し、血糖値の上昇も抑えて生活習慣病などのリスクを減らそうというソフトな考えがもとにある。
次第に広がってきた認知
開発の歴史は昭和59年まで遡り、当時砂糖を摂取すると血糖値が急激に上昇する一方で、蜂蜜に含まれるイソマルツロースは分解速度が砂糖のそれと比べて約5分の1であり、食後の過剰なインスリン分泌を抑えて内臓脂肪が付きにくくなることが分かったのだ。
同社はこれに注目したが、蜂蜜から抽出できるイソマルツロースは含有量が少なく、ドイツの研究所での実験を通じて、微生物の酵素からパラチノースの量産化に世界で初めて成功したのだ。
その後明治乳業などが血糖値の上昇を抑えるパラチノースの効果に着目し、糖尿病患者用の流動食にパラチノースを採用する。
以降社団法人「スローカロリー研究会」の発足を経て、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて盛り上がるスポーツ界もターゲットに、パラチノースの売り込みを一層強化していく構えだ。

三井製糖 パラチノース(R)
https://www.mitsui-sugar.co.jp/products/pala_nose/