「おいしさ」は食べる前から決まっていた!
食器の色や素材が、人間の味覚に大きく影響を及ぼしている。オックスフォード大学の研究チームが、興味深い調査結果を発表した。
同研究チームによると、
食べ物が口に入るずっと前に、脳はすでに味の評価を下している(estrepublicainより)
と述べ、人間は舌だけではなく目で食べていると説明した。
調査は、10人の参加者の協力を得て実施された。それぞれの参加者に、色、形、素材、重さの違う食器を使用して実際に試食してもらい、目がどのような形で味覚に影響を与えるのか調査した。
料理人の知恵
研究結果によると、赤は食欲を抑える効果があるという。つまり、ダイエットを行っている人には、赤は非常に効果的であるといえる。
食器の種類も脳に影響を及ぼす。例えば、ナイフで刺して口に入れた食べ物は、スプーンやフォーク、つまようじで食べた場合よりもしょっぱく感じることがわかった。
また、軽いプラスチックのスプーンで食べたものは、「高そう」に思えるという。
異なる印象を与える食器であるが、模範解答はない。レモンソーダは黄色い容器に入れれば風味が増したような印象を与えることができるし、青い容器に入れればフレッシュさをアピールできる。
伝えたいイメージを明確にし、適切な色を選ぶことが求められる。
和食やフランス料理などは、昔から目で食べることを大切にしてきた。脳の知識がなくても「目」に注目したのは、まさに料理人の知恵といえるだろう。

オックスフォード大学 公式サイト
http://www.ox.ac.uk/味覚と色 estrepublicain
http://www.estrepublicain.fr/sante-et-medecine/