遺伝子の複製異常が原因か
生命の秘密のかぎを握るのは、DNAなのかもしれない。
2型糖尿病患者が、白血病などの血液がんになるリスクが他の人よりも高いことは、すでに知られている。しかしその理由は、いまだ解明されていない。
今月14日、フランスと英国の研究者チームが、DNAの複製異常が2型糖尿病患者の血液がんリスク拡大の一因となっている可能性があることを発表した。
この「CMEs」と呼ばれる異常により、血液がんリスクが10倍に高まることがすでにわかっている。
しかし、このほど発表された研究により、2型糖尿病患者のCMEs保有者が、そうでない人に比べて4倍近く多いことが明らかとなった。
軽度の化学療法も可能に
2型糖尿病と血液がんの関連性についての調査を行ったのは、ロンドン帝国大学のフィリップ・フローゲル氏だ。フランス国立科学研究センターの研究者も、同氏の研究に参加した。
研究チームは、50歳以上の約7300人の血液サンプルを調査。うち2200人近くが2型糖尿病患者だった。
フローゲル氏は、遺伝子の複製異常が糖尿病患者の血液がん発症リスクを高める可能性があると述べたうえで、
将来的に、血液がんの発症リスクが高い患者をDNA検査により特定し、軽度の化学療法を行えるようになるようになるかもしれない(Le nouvel observateurより)
と説明している。

ロンドン帝国大学
http://www3.imperial.ac.uk/フランス国立科学研究センター
http://www.cnrs.fr/糖尿病と血液がん つながりはDNAのなかに Le nouvel observateur
http://sciencesetavenir.nouvelobs.com/sante/