日本人の長い歩みに寄り添った食生活を
高齢者が長年暮らした地域や自宅で自立して安心に暮らせる方策を構築することを目的とした様々な取り組みを行っている国立長寿医療研究センターは、「NILS-LSA活用研究室」のトピックスとして『食事と認知機能(3) ~日本の食文化に欠かせない豆類~』を追加したと発表した。
太古の昔から日本人の食生活に添えられてきた豆類には、植物性たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富であり、加えて大豆などにはイソフラボンなどの独特な栄養素も含まれている。
これらは認知症を防ぐ目的でも有効な効果を期待できる栄養素だ。
しかしこれらが実際に人の認知機能にどのような影響を及ぼすかはこれまで明白に示されてはこなかった。
豆類の有意性を検証
そこでNILS-LSAは男性・女性別にイソフラボンの摂取量が認知機能の低下率とどれ程密接に関わっているかを調べる実験を行い、女性における10年後の認知機能低下リスクの低下を確認した。
NILS-LSAの調べでは、男性において豆類の摂取量と認知機能との関連は確認されなかったものの、納豆、豆腐、がんもどき、油揚げ、豆乳、味噌、あんといった豆類を原料とする食品を多く取り入れることが、認知機能を維持する上で重要な要素となり得ることが示されたといえる。

食事と認知機能(3) ~日本の食文化に欠かせない豆類~
http://www.ncgg.go.jp/department/ep/topics_edit24.html