生活習慣病に関わる慢性炎症
信州大学、NPO法人・熟年体育大学リサーチセンター、徳島大学大学院、株式会社明治の共同研究グループは、運動と乳製品の組み合わせが高齢女性の筋力増加に効果があることを実証し、研究成果を国際科学雑誌PLOS ONEオンライン版で2017年5月17日に公開した。
加齢に伴って起きる筋萎縮、近年、この筋萎縮に起因した慢性炎症がさまざまな生活習慣病を招くことがわかってきた。
例えば、脂肪組織で発生した炎症は糖尿病を発症し、免疫細胞での炎症は動脈硬化を、脳細胞では認知症を、がんの抑制遺伝子の場合はがんを発症する。
つまり、生活習慣病の予防には慢性炎症を抑制することが重要視される。
運動と乳製品の摂取で効果
共同研究グループは牛乳・乳製品に含まれる良質なタンパク質、ミルクプロテインの有用性を追究する中で、「運動プラス乳製品」が炎症促進遺伝子の活性抑制効果をもつことを明らかにした。
研究では、平均年齢66歳の女性37名を対象に、3分間ずつ速歩とゆっくり歩きを交互に繰り返すウォーキングを1日に5セット以上、週に4日以上行うインターバル速歩トレーニングを5カ月間実施し、下肢の筋力と炎症促進遺伝子の不活性化を測定した。
結果は、筋力、持久力が平均で8%、最大では20%向上すると共に、生活習慣病の症状も20%の改善が見られた。その際、運動のみの場合よりも運動とミルクプロテインの摂取が多い高乳製品の場合において、筋力の向上と体内の慢性炎症の抑制が確認された。
なお、研究に参画した明治は、ミルクプロテインの価値を周知する“明治ミルクプロテインプロジェクト”を展開しており、商品化も進める考えである。
(画像はプレスリリースより)

株式会社明治 プレスリリース
http://www.meiji.co.jp/