4月11日、東北大学発表
ゴマに含まれる健康促進成分「セサミノール」の工業的生産の可能性を秘めた、新しい酵素が、東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻応用生命化学講座の中山亨教授と、宮崎県の清本鐵工(株)および南九州大学の山口雅篤教授との共同研究で発見された。
(東北大学プレスリリース詳細より)
ゴマには「セサミノール」という健康促進成分があり、愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授(名古屋大学名誉教授)と共同研究者によって、強力な抗酸化作用、抗動脈硬化作用、抗がん作用が明らかにされていた。今回、この「セサミノール」を効率よく生成する酵素が発見されたということである。
すでに、ゴマやゴマ油などの関連食品を摂ると、健康に好ましい効果があることがわかっている。「セサミン」については、特にその効果に理解が進んで、健康食品の成分として大きなマーケットが開拓されている
セサミールとβ-グルコシダーゼ
セサミノールトリグルコシド(以下、STG)という、セサミールに3つの糖が結合した成分が「ゴマ搾りかす」に豊富に含まれている。ただし、STGの糖鎖構造の離分解性のため有用な活性は発揮されない。人の腸管の消化液や腸内細菌にほとんど分解されることなく排出されると考えられる。
今回中山教授らの研究グループは、STGを効率よく生成できる微生物を自然界から幅広く探索した。この微生物のSTG分解酵素はβ-グルコシダーゼという酵素で、単独でSTGを効率よく分解する。
この研究成果は、4月10日発行の、米国科学誌PLOS ONEに発表された。

東北大学プレスリリース詳細
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/