健康食品との付き合い方について東京都が啓蒙動画を配信中
東京都福祉保健局が開催している「食の安全都民講座」。令和4年度3回目は「表示で読み解くサプリメント(健康食品)」をテーマに、健康食品の“表示”や健康食品との上手な付き合い方についての講演動画が配信されている。
また、特設サイト「磨け!選択眼」では、健康食品の適正利用を促す目的で、現役高校生のパフォーマンス動画を公開している。
動画および資料の公開期間は、東京都福祉保健局の作成するサイト「食品衛生の窓」にて、令和4年10月13日(木曜日)午後2時から令和5年1月16日(月曜日)まで。
その“サプリ”ほんとに必要?
巷には「健康食品」や「サプリメント」と呼ばれるものが多数あるが、その定義について、きちんと認識している人は少ないのではないだろうか?
実は、法令上に定義されているのは「保健機能食品」というもので、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品の3つをまとめて「健康食品」と呼ばれてしまっているというが現状なのだ。
また、錠剤やカプセルの形状をしている食品は「サプリメント」と呼ばれ、機能性表示食品として販売されていることが多い。サプリメントは特定成分を効率よく摂取できるとして人気だが、配信された講演動画では、認識不足や誤用による過剰摂取について注意を促している。
サプリを使う上で注意しておきたい2つのこと
機能性表示食品を利用する人の多くは、体の不調を感じている人たちだ。また、生活習慣病など、生活習慣を変えることで未然に防ぐことのできる病気を意識して、機能性表示食品を取り入れる人も多い。
しかし、サプリメントを利用する時には、次の2つの点に注意する必要がある。
一つ目は、錠剤やカプセルといった形状であることから、医薬品を連想させ、医薬品と同等の効果を期待させてしまう可能性が高いということだ。
しかし、機能性表示食品として販売されているサプリメントは、あくまで食品だ。
その有効性について、製品中に含まれる成分についての論文などが根拠とされていることが多く、製品として臨床データがあるわけではない。特に、基礎疾患を持つ人や高齢者、妊産婦、乳幼児などハイリスク群とされる人たちへの影響については、ほとんど検証されていないということに気をつける必要がある。
二つ目は、摂取量やタイミング、摂取による体調の変化について無頓着ではいけないということ。
配信された講義動画の中でも、サプリメントを利用している期間は、なるべく、その使用状況をメモで残しておくのが良いと述べられている。サプリメントを飲んだ日の体調についてメモが残っていれば、万が一、健康被害を受けた場合、原因解明の糸口となるからだ。
健康食品は、生活習慣を正すきっかけとして大いに役立つ。くれぐれも過剰摂取による健康被害を引き起こさないよう、うまく取り入れることが大切だ。
(画像はプレスリリースより)

東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/磨け!選択眼
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